さて、5回目の今回は追突事故で多い、むちうちについてです。
むちうちとは?
軽く追突されただけだから大丈夫と思いがちですが、スピードが出ていなかったとしても車にぶつかられれば体には
大きな負担がかかります。
後方から追突されると、慣性の法則で体は前方に押し出され、5キロほどある頭は伸展(その位置に残ったまま、もしくは後方に反らされ)し、その後、前方へ持って行かれるためむ
ちをうった状態となります。
むちうちなどの交通事故による外傷は、事故直後は気が動転していることが多く、痛みに鈍感になっていたり、後日症状が出てくることがあります。
整形外科で、レントゲンでは問題なくても頸部周囲の組織が損傷していたりすることがあるので、慎重に経過を観察することが大切です。
むちうち損傷の分類
1)頸椎捻挫型
むちうち損傷の軽度のもので約80%を占めると言われています。
頸部周囲筋の損傷や椎間関節の捻挫による、疼痛・圧痛・運動時痛がみられ「寝違え」の症状に似ています。
また、知覚異常や上肢の脱力感などの不定愁訴を主体とし、数週から数か月症状が持続することもあります。
2)頸部交感神経症候群
頸椎の損傷に際し、頸部交感神経および椎骨動脈が障害され起こります。
頸部痛や後頭部痛・めまい・耳鳴り・視力障害・夜間の上肢のシビレなどの不定愁訴を主体とします。
3)神経根型
椎間孔内外における神経根の圧迫による、頭部から上肢まで神経症状を呈し、咳やくしゃみ・頸部の過伸展、側屈回旋により
症状は増悪します。
4)脊髄型
頸椎の脱臼骨折を合併した場合などに、脊髄症状を呈することもあります。
最も重い症状を呈することがあります。
むちうちは初期治療が肝心で、少しでも気になったら直ぐに受診されることをお勧めします。